こんにちは。はまだ歯科クリニックです。
歯と食べ物は決して無関係ではありません。
甘いものを食べてばかりいると、やがてむし歯になってしまうのも事実です。
一方で、歯にいい食べ物もあります。
果たして、それは何でしょうか。
今回は、歯に良いと言われている食べ物、また悪い食べ物のあれこれについて解説します。
ぜひ最後までお読みください。

目次
こんな食べ物は歯に良くない
歯にいい食べ物を知る前には、悪い食べ物の方もしっかりと理解しておきましょう。
「歯に悪い食べ物」と聞いて多くの人たちが真っ先に思うのは、糖分の多い食べ物です。
糖分の多い食べ物
甘いもの、特に砂糖は貴重な調味料のひとつですし、エネルギー源でもあり、それ自体は決して身体に悪いとは言うことができません。
しかし、それでも摂取しすぎると、むし歯だけの問題ではなく、肥満のリスクも抱えてしまうことになり注意が必要です。
またなぜ、むし歯になってしまうのかと言えば、むし歯菌が砂糖を分解し、酸を作って、歯を溶かしてしまうからです。
これがむし歯になってしまうメカニズムです。
むし歯菌などの菌が自由に生きられる環境は酸性なのです。
逆に、アルカリ性ではむし歯菌は生きることができません。
アルコール
アルコールは口の乾燥を招き入れる飲み物です。
だ液が減ってしまうと、むし歯や歯周病のリスクが相当、高まっていきます。
また、一部アルコール飲料に入っている糖分や酸も、既に解説しているように歯には良くありません。

固いおせんべい
また、固いおせんべいが大好きという方々もいらっしゃることでしょう。
もちろん固いおせんべいを日頃食べていただいても構わないのですが。
同時にちょっと心配しなければならないのは、歯を破損させてしまう危険性です。
歯は、自分が想像している以上に繊細でデリケートだと考えた方がいいでしょう。
歯は、人生とともに生きていかなければならないパートナーです。
もっといたわる気持ちをもってもいいのではないでしょうか。
コーヒー
さらに、コーヒーや紅茶も歯には良くない飲み物ということができます。
コーヒーや紅茶を頻繁に飲むことで、着色や汚れの原因になってしまうでしょう。
また、コーヒーなどは口を乾燥させてしまい、口腔内の健康を損なってしまう可能性があります。
歯の良いとされている食べ物とは?
歯の健康を維持するために、ぜひとも歯に良い食べ物を積極的に摂取するようにしてください。
リンゴ
リンゴは歯のエナメル質を強くするのに必要であるビタミンAがたくさん含まれている食べ物です。
また、リンゴには複数のポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールの抗酸化・抗菌・消臭作用にプラスして、クエン酸の一種であるリンゴ酸にも抗菌・消臭作用があります。
口臭が気になるという方々は、3分の1から4分の1程度のリンゴを皮ごと食べると、改善を期待することができます。
また、リンゴに含まれているリンゴ酸は、ピーリング剤にもよく使用されている成分です。
歯の色素沈着や、黄ばみ落としにも活躍してくれるかもしれません。
イチゴ
イチゴの甘味成分は、ガムでおなじみのキシリトールだということをご存じでしょうか。
イチゴを食べることで、このキシリトール成分が歯のくすみを取ってくれるのです。
また、イチゴにも、リンゴ酸が多く含まれているので、歯の色素沈着を防ぐことにも貢献してくれることでしょう。
パイナップル
パパイヤに含まれている成分パパインが、パイナップルにも多く含まれています。
パパインには、タンパク質を分解する力があるため、歯にいい影響を与えてくれます。
ごま
ごまには、カルシウム、鉄分、リン、ビタミン類などの、歯を健康に育ててくれる栄養素がたくさん含まれています。
ブロッコリー
ブロッコリーには、歯にとって大事な成分である鉄分がたくさん含まれています。
また、生のブロッコリーに含まれるビタミンCはレモンの2倍とも言われています。
おなじみビタミンCも歯に良い効果を及ぼしてくれます。
ビタミンCは、歯肉を構成するコラーゲン線維に働きかけ、歯肉の出血や炎症を抑え、歯周病予防を防いでくれます。
サーモン
サーモンはビタミンDとカルシウムを多く含んだ食べ物です。
ビタミンDやカルシウムが不足してしまうと、歯の再石灰化が成り立たなくなるためとても大事な栄養素です。

コーラで歯が溶けるって本当?
コーラで歯が溶けるというと、中には、都市伝説のように思われているかもしれませんが、これはあながち嘘ではありません。
もちろん、数回程度コーラを飲んですぐに歯が溶けてしまうような問題ではないのですが。
酸性という意味合いでは、スポーツドリンク、柑橘類などの飲み物も、歯のエナメル質を溶かす原因になります。
本来であればお口の中は、pH7.0の中性に維持されています。
しかし、飲み物が口の中に侵入すれば、pHは酸性に傾倒していくことになります。
pH5.5以下になってしまうと、歯の表面のエナメル質の中からミネラル成分が溶けはじめるとされています。(臨界pH)
その後は、だ液のおかげで30~40分程度時間をかけて中性に戻すことができ、溶け出しているミネラル成分も、再度エナメル質へと戻すことが可能です。(再石灰化)
しかし実際、コーラを毎日何本も飲んでいるのであれば、むし歯の率は全く飲まない人と比較して当然高くなり、だ液の中和作用がなかなか追いついてくれません。
コーラなどの炭酸飲料が原因で、気づかないうちにどんどんエナメル質が溶けてしまう現象が起こり、このような状態を、「酸蝕症」と呼んでいます。

糖分も原因
コーラなどの炭酸飲料の場合、酸性であることだけが理由だけでなく、糖分も原因としてあげることができます。
コーラは、お口に含むことでシュワシュワの爽快感を得ることができるのですが、そのシュワシュワとした感じは、逆に甘さを感じにくくさせてしまう要因であり、実際には炭酸飲料にはとても多くの糖分が含まれている飲み物なのです。
多くの糖分を含む食べ物を摂取すると、その糖分を餌にしたむし歯菌によって酸が発生することになります。
結果、お口の中が酸性に傾き、歯が溶かされ、むし歯となってしまうのです。
もちろんコーラが大好きという人たちもいらっしゃるでしょう。
コーラを飲む時も大量に飲まないで、コップ1杯だけを意識し、多くても週に2、3回というような感じで習慣づけてみてはいかがでしょうか。
また、コーラを飲んだ後、口をゆすぐなどの対策を行うといいでしょう。
牛乳は本当に歯にいいの?
歯を良くする栄養素といえば、カルシウムを思い浮かべる方が多いと思います。
また骨や歯の材料となるカルシウムを積極的に取ろうと、健康を意識して牛乳を飲むという方も多いのではないでしょうか。
牛乳コップ1杯には、おおよそ220mgのカルシウムが含まれています。
カルシウムは、食後にむし歯菌の酸によって溶け出してしまった歯の成分の修復(再石灰化)をサポートをする大事な栄養素です。
ただし、ここで注意していただきたいのは、牛乳を飲めばむし歯になりにくいと言われているのですが、それは、虫歯にならないということではないのです。
牛乳には砂糖は含まれていないのですが、乳糖という糖質が含まれています。
乳糖は砂糖ほどではないのですが、歯磨きで磨き残しがある場合など、むし歯菌により歯を溶かす酸が作られてしまう可能性があります。
ですから、牛乳を飲んでいるのだから安心ではなく、寝る前に牛乳を飲んでそのまま寝てしまうようなうっかりを回避していただきたいと思います。

健康な歯のためにバランスのいい食事を摂取しよう
健康な歯のためにバランスのいい食事を摂取することをぜひともお考えください。
アルコールやカフェインを摂取した後は、積極的に水を飲み、口腔内の乾燥を防ぎましょう。
そして、食後はできるだけ早く歯を磨くことが理想です。
特に、糖分や酸を多く含んだものを食べたり、飲んだりしたあとの歯磨きは大事です。
また、定期的な検診とクリーニングにより、食べ物や飲料によるダメージから歯を守ることが可能です。
当院でも、定期健診、クリーニングが行われているため、積極的に受けてみてください。