親知らずは抜いたほうがいい?親知らずの抜歯
こんにちは。
伊丹市、阪急伊丹駅すぐの歯医者、はまだ歯科クリニックです。
今回は親知らずについてお話しします。
目次
親知らずについて
歯ぐきが腫れたり、痛みが出たり、口が開きにくいなどの症状が親知らず(智歯)の周りで起きることを智歯周囲炎といいます。
炎症症状の主な原因は細菌です。
親知らずは一番奥に生えているため、歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まり不衛生になりやすくむし歯や歯周病のリスクが高くなります。
汚れが溜まったままになると、汚れを養分にして歯周ポケットの中で細菌が増殖し、歯ぐきの腫れや痛みなどの症状が出るでしょう。
疲れがたまっているときや、体調不良のときは、細菌に対する免疫力が下がっているため炎症の症状が出やすくなります。
腫れなどの症状が軽い場合は、1週間ほどで炎症が治まることが多いです。
そのまま放置すると腫れや痛みを繰り返し、症状が強く出てきて治るまで数週間かかることもあります。
細菌感染によって皮膚や皮下組織にまで炎症が起きると、口が開きにくくなり、飲み込むときに痛みを生じます。
他にも、発熱や倦怠感などの全身症状が現れることもあります。
症状が軽く、親知らずが正常に真っすぐ生えてくるなら、歯ぐきの腫れや痛みが自然と治る場合があります。
親知らずが斜めにはえていたり、歯ぐきが親知らずに一部覆いかぶさっていると、お口の中の清掃不良が続き、細菌が増えてしまいます。
さらに体調不良などで免疫力が下がると、腫れや痛みなどの症状を繰り返すので、抜歯の検討が必要です。
歯ぐきの腫れや痛みが落ち着いたからといって、そのまま放置するのはやめましょう。
また、親知らずを抜いた方がよいかは自己判断せず、歯科医院にご相談ください。
親知らずの抜歯
親知らずを抜歯する際、親知らずと歯ぐきに腫れや痛みの炎症があるときは、抜歯のための麻酔が効きにくかったり炎症が悪化する場合もあるため、炎症が落ち着いてから抜歯を行います。
人前に出て話をする場合や試験の前などは抜歯をした後、腫れる場合もあるので、抜歯をした方がよいと診断されたときは、スケジュールを確認してから抜歯の予約をしましょう。
上の親知らずを抜いた後より下の親知らずを抜いた後の方が、腫れやすいです。
食事は食べやすい状態のものを口にしましょう。
抜歯後のスムーズな治癒のためにも食事、栄養は必須ですから、口が開きづらい場合もしっかりと食事を心がけてください。
腫れや痛みの程度は、親知らずの生え方、抜歯の方法、骨の状態など様々な因子が関与するため人それぞれです。
5〜6日くらいで徐々に腫れは治ります。
問題なく治癒を促すために、抜歯前は炎症がなく清潔な状態にしましょう。
抜歯当日は激しい運動や飲酒を控えてください。
喫煙は抜歯後の治りに影響しますのでやめましょう。
抜歯後は、体調の維持を食事や睡眠で取ってください。
また、出血や感染のリスクが高まるので、抜歯した部位に手でふれるのはやめましょう。
感染予防のため、柔らかいブラシ、うがい薬で清潔に保つようにして抜歯後のストレスを少しでも減らすことが重要です。
親知らずを抜いたほうがよいと診断される場合
歯科医院で抜歯したほうがよいと診断するには、いくつか理由があります。
炎症が落ち着いてもそのままにせず、早めに歯科医院で治療を受けましょう。
1.親知らず周囲の歯ぐきの腫れや痛みを繰り返す
親知らずが斜めにはえていたり親知らずの一部が見えている場合は、清掃状況が悪くなりやすいので、腫れや痛みを何度も繰り返してしまいます。
さらに症状が悪化する可能性もあるので、抜歯して原因を取り除くことが望ましいです。
2.親知らずがむし歯になっている
親知らずが斜めにはえていたり、一部分しか見えていない場合、むし歯の治療が困難なので、抜歯が必要と診断される可能性があります。
真っすぐに生えていたとしても、むし歯が進行して神経まで到達していると歯自体がもろくなってしまい、抜く時に歯がバラバラになって時間がかかる可能性があるでしょう。
3.親知らずの手前の歯がむし歯になっている
親知らずが原因で手前の歯がむし歯になってしまった場合、手前の歯の治療のために親知らずを抜く必要があります。
親知らずが手前の歯に悪い影響を与えている状況が続くと、手前の歯のむし歯が進行して歯の保存が難しくなるからです。
4.かんだ時に親知らずが頬の粘膜や歯ぐきを傷つける
上の親知らずの場合、かみ合う相手の歯がないと伸びてきます。
頬の粘膜や向かいの歯ぐきに当たって傷をつけることがあり、痛みを引き起こすこともあるので、抜歯が必要です。
5.親知らずが歯並びに影響している
親知らずが横向きにはえている場合、後ろから手前の歯を押すような力がかかります。
特に矯正治療をした人は、親知らずが後ろから押す力によって歯並びに影響してしまうので、歯科医師の診断により抜歯の可能性が高いです。
親知らずの生えている場所によっては、歯を分割して抜かなければいけない場合があります。
下のあごの骨には太い神経と血管があり、神経や血管を傷つけないように、親知らずとの距離を測るCT撮影があると安心です。
親知らずを抜かなくてもよいと診断される場合
条件があえば、痛い思いをせず無理に親知らずを抜かなくてもよい場合もあります。
親知らずが真っすぐはえていてかみ合わせも問題なくしっかりかめていれば、抜く必要はないと診断されるでしょう。
親知らずの手前の歯がなく、親知らずが真っすぐにはえていれば、ブリッジ(橋渡しのようなかぶせ物)にできるので親知らずを残しておくことができます。
あごの骨の中に親知らずが埋まっていて、ほかの歯を押してこない場合も抜く必要はありません。
むし歯や歯周病になっていない場合、今後ほかの歯がなくなってしまったときに移植に使えるので抜かずに残す場合もあります。
親知らずを抜くときに注意が必要な人
以下の方は親知らずを抜くときに注意が必要なので、普段からお口の中を清潔にし、腫れや痛みが出ないようにしましょう。
身疾患のある人
循環器疾患・血液疾患・糖尿病など全身疾患がある人は飲んでいる薬の影響があります。
専門医と連携をとって安全に抜歯をおこなうこともできます。
骨粗しょう症の薬のビスフォスフォネート製剤(BP製剤)を服用している人も注意が必要なので、医師や歯科医師と相談しましょう。
妊娠中の人
妊娠中はおなかの赤ちゃんに影響するので、抗生剤や痛み止めの薬を飲むことはできません。
妊娠中は体調の変化も起きやすく、母体への負担も考えられます。
妊娠中は特にホルモンのバランスが変化して、つわりで歯磨きがしにくく口の中の環境が悪くなりやすいので、腫れや痛みの症状が出やすいです。
出産後も子育てに忙しく、自分の時間を確保するのも大変なので、女性の方は妊娠前に親知らずの抜歯をしておくことをおすすめします。
難しい親知らずの抜歯
親知らずの生え方によって抜歯の難易度が変わります。
真っすぐに生えている場合は、比較的簡単に抜け、上の親知らずは簡単な場合が多いです。
親知らずが斜めに倒れ、手前の歯にぶつかっている場合は、ぶつかっている部分を切り取ってから抜歯をするため中程度の難易度で、下の親知らずに多く見られます。
完全に横になって顎の骨の中に埋まっている親知らずの場合は難易度が高いです。
また、歯の根が肥大化や湾曲していると骨に引っかかるため抜歯しにくくなります。
むし歯がかなり進行してしまうと歯がボロボロになって、歯を取り除くのに時間がかかり、大変です。
口の開き具合に個人差がありますが、口が開けづらい方は器具が届きにくく、治療がスムーズに進まないこともあります。
下の顎の骨には大きな血管や神経があり、親知らずの位置と近い場合は傷つけないように慎重に抜歯をしなければいけません。
まとめ
親知らずは必ず抜かないといけない歯ではありません。
親知らずが気になる方は、当院までお気軽にご相談ください。