こんにちは。
伊丹市、阪急伊丹駅から徒歩3分の歯医者、はまだ歯科クリニックです。
皆さんセレック治療をご存知でしょうか?
『セレック』とは、おそらくあまり聞きなれない言葉かと思います。
これは審美歯科の治療で用いられる機器で、コンピュータ制御によって補綴物(ほてつぶつ:歯科治療における被せ物や詰め物のことです)を設計・作成することができるシステムのことです。
従来の治療法と比べて、非常に早く詰め物や被せ物が作成できる最先端の方法となっております。
セレックは患者様の歯に合ったカスタムな修復物を短時間で提供できます。
今日はセレックシステムについて、詳しくご説明いたします。
目次
セレックとは
セレックは、ドイツの医療機器メーカーであるシロナ社によって開発された装置で、セラミック(CEramic)とリコンストラクション(REConstruction:再建)の2語を組み合わせた名称です。
セレックでは3Dカメラで口腔内を撮影し、そのデータを基にコンピュータ上で設計を行い、そのまま装置内でセラミックを削り出して修復物を作成します。
このセレックシステムを用いることで、これまで口内に印象材を入れて歯型を取っていた工程がいらなくなり、精巧な修復物を短時間で作ることができるようになりました。
従来であれば型取りの後、修復物を歯科技工所へ依頼して作成していましたが、歯科医院内の装置で完結するため治療時間の大幅な短縮が実現しました。
また、修復物は高品質なセラミックブロックから削り出したものであり、耐久性にも優れています。
治療の時間が短い
通常、型を取って歯科技工所で補綴物を作成し、出来上がったものを使用して治療にあたる流れですと、早くても1週間ほど、複数回来院していただくことになります。
これがセレックシステムでの治療だと、最短で治療が終わるため、これまでのように仮の詰め物で過ごす期間が短く、生活上の負担が軽くなるとともに治療箇所のトラブルが減ることが期待できます。
今までの常識を覆される早さで治療が終わるため、本当に大丈夫なのかと不安に感じるかもしれません。
このセレックシステムは歯科医療の先進国である欧米を中心に、世界で20年にわたり延べ1000万例以上の治療実績を有しています。
その過程でシステムもアップデートを繰り返し、今も発展を続けている最先端のデジタル審美治療です。
セレック治療の流れ
改めて、セレックシステムでの治療の流れをおさらいしておきます。
Step1.スキャン
治療箇所の歯を削ったあと、3D光学カメラで口腔内を撮影します。
一部の場合を除いて、基本的に印象材での型取りは必要ありません。
Step2.修復物の設計
コンピュータからのデータを基に表示される3D画面上で修復物を設計します。
モニター上で歯の形や上下の噛み合わせを様々な角度から調整できるので、精密な設計が可能となっています。
削り出しに使用するセラミック素材は複数のカラーバリエーションがあり、元の歯の色に近いものを選定します。
Step3.修復物の作成
ひとつ前のステップでの設計データを用い、歯科用ミリングマシン(小型の切削加工機)でセラミックブロックを削り出し、修復物を設計通りに作成します。
Step4.口腔内へのセット
完成した修復物を治療箇所へ装着し、完了となります。
セレックのメリット
セレックシステムでの治療の利点についても整理しておきましょう。
・セレック用のセラミックは高品質で耐久性に優れる
歯科治療の15年後の残存率を調べた臨床研究によると、銀歯のような通常の保険治療では68%だったのに対し、セレックでの治療は93%、20年後においても90%の残存率だったと言われています。
セラミックそのものの耐久性が高いことや、特殊なセメントで接着するため歯と修復物との間にすき間ができにくく、むし歯になりにくいことなどが理由として挙げられます。
・金属アレルギーの方も安心
銀歯での治療の場合、金属から溶けだしたイオンが体内に取り込まれることにより、手足の湿疹などのアレルギー反応が生じるケースがあります。
セレックでは金属の素材を使わないため、こうした金属由来のアレルギーの心配もありません。
・自費診療の審美治療の中では比較的安価
セレック治療は保険適用の素材や治療手順の範囲外のため、費用は全て自費となります。
しかし、歯科技工所を通さず院内で完結するため、中間コストを削減できる分、他の審美歯科治療と比べるとリーズナブルとも言えます。
セレックのデメリット
セレック治療の良い面を見てきましたが、反対にデメリットはどうでしょうか?
・自費診療のため保険診療に比べて費用が掛かる
セレック治療はすでにお伝えしたように、自費診療の中ではリーズナブルと言えますが、それでも保険診療と比べると費用は掛かります。
・修復物の精度が悪い場合がある
これは主にセレック治療の経験が浅い先生の場合で起こりやすい問題です。
しっかりと経験を積んだ歯科医師が適切に設計、治療を行う場合はすぐに外れたりする恐れは低いと言えるでしょう。
・口内の状態によってはセレック治療が適さない場合がある
セレック治療が適さない代表例にブリッジがあります。
ブリッジとは、欠損した歯を、その両隣の歯を支えにして被せる治療方法です。
セレックシステムでブリッジ状の修復物を作ること自体は不可能ではありませんが、耐久性を示す臨床例が少なく、ブリッジを行う場合は他の治療法を取る方が間違いないためです。
セレック治療を受ける際の注意点
ここまでお読みいただいて、セレック治療に興味を持っていただいた方もいらっしゃるかと思います。
実際に治療を受ける際に気を付けること、治療が受けられない場合などをお伝えします。
・歯周病がある方はまずそちらを治してから
原則として歯周病をお持ちの方は、まず先に歯周病の治療を済ませていただく必要があります。
・土台がしっかりしていない歯には適用できません
元の歯を削り、セラミックの修復物をセメントで接着する治療法のため、ぐらつきのある歯には行うことができません。
・割れる可能性もある
セレック治療に用いるセラミックは硬くて強い素材ですが、強い衝撃が加わると割れてしまうこともあります。
噛み合わせや食事の際は気を付けるようにしてください。
・治療後のメンテナンスが必要
セレック治療に限った話ではありませんが、歯医者で治療を受けた後、治した歯を長持ちさせるためには治療後のケアが重要です。
セラミックはむし歯になりにくい素材であるとは言え、日々の歯磨きなどのメンテナンスを怠るようだと歯周病やむし歯のリスクは高まります。
セラミックを装着した歯がむし歯になってしまうと、修復物を交換することになり、治療と合わせてさらに元の歯を削る必要が生じ、健康な歯の維持のためには好ましくありません。
セレック治療後はセルフケアに加え、定期的に歯科医院へ通い、健診で歯の状態をチェックすると安心です。
まとめ
セレックシステムは従来のセラミック治療に比べ、治療期間やコストの面で優れています。
セラミックでの治療を考えている方は、セレック治療を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
当院では豊富な治療実績があり、事前のカウンセリングでしっかりとヒアリングも行っております。
輝く笑顔、白く輝く歯で自分に自信をお持ちませんか?
まずは当院までお気軽にご相談ください。