こんにちは。
伊丹市、阪急伊丹駅すぐの歯医者、はまだ歯科クリニックです。
普段、嚙み合わせを意識して、生活をしていますか?
食事する際に特に問題なく固いものが噛める方の中にも、嚙み合わせがよくない方は多数います。
嚙み合わせが良くないと、歯の健康はもちろん、身体の健康にも影響していきます。
噛み合わせが悪いというのは、どんな影響があるか、どんな治療をするのかなど、詳しくお話していきたいと思います。
目次
「嚙み合わせ」を解説
噛み合わせが良い状態というのは、歯の上下左右が対称であり、上下と前後に2〜3ミリほど重なっている状態です。
逆に、噛み合わせが悪い状態というのは、上下の歯がうまくかみ合っておらず、物をかみ砕く効率が悪い状態です。
嚙み合わせが悪い原因には、前歯の中心がずれている、歯と歯の間に隙間ができているなどの「不正咬合」と呼ばれるものもあります。
今回は、不正咬合治療についてご説明させていただきます。
不正咬合の種類
不正咬合の種類はおおよそ6種類あります。
①叢生(そうせい)
「乱杭歯」とも呼ばれます。
日本人の不正咬合の中でも発生率が最も高いと言われています。
乳歯が抜ける前に、永久歯が正しい位置に生えることができない場合や、顎の大きさに対して、歯が大きい為、窮屈になった歯が前後に重なってしまったり、上下の歯がしっかり噛み合わない状態です。
八重歯も叢生に含まれます。
②上顎前突(じょうがくぜんとつ)
前歯が前方に出ている不正咬合です。
一般的に「出っ歯」のことです。
上顎が前に出ている状態の「上顎前突症」と、下顎が後ろに引っ込んでいる状態の「下顎後退症」の2種類があります。
日本人は下顎後退症が多いといわれています。
また、上顎前突は見た目のコンプレックスにつながりやすいです。
⓷下顎前突(かがくぜんとつ)
一般的には「受け口」と呼ばれるタイプの不正咬合です。
正常な場合、上下の歯を噛んでいるとき、上の歯が下の歯よりも外側にあります。
しかし、下顎前突の場合、下の前歯や下顎全体が前に出ているため、下の歯が上の歯より前に出て噛んでしまいます。
下の前歯が上の前歯を突き上げてしまいやすく、負担のかかる噛み合わせとなってしまいます。
④空隙歯列(くうげきしれつ)
歯と歯の間に隙間ができている状態です。
一般的には、「すきっ歯」と呼ばれています。
顎の大きさに対して歯が小さいことや、歯そのものが小さいことなどが原因で起こります。
息が隙間から抜けやすいため、サ行やタ行がうまく発音できないことがあります。
⑤過蓋咬合(かがいこうごう)
上下の歯を噛んだとき、上の歯が下の歯を隠してしまうほど大きく被さってしまう状態のことです。
歯並び自体がきれいだと気づかないことがあります。
過蓋咬合を放置してしまうと、下の前歯が上の前歯の歯茎に食い込んだり、上顎前突(出っ歯)を誘発しする、顎関節症になりやすいなど、健康上に問題が生じてしまいます。
⑥開咬(かいこう)
噛んだときに上下の前歯接触せず隙間ができており、奥歯だけが当たっている状態です。
顎関節症のリスクや、食べ物が噛みにくいほか、呼吸が漏れやすくなり、「さしすせそ」の発音がうまくできないことがあります。
不正咬合の原因
不正咬合の原因は主に5つあります。
①遺伝
ご両親の顎の骨格がずれている場合、遺伝により子どもも生まれつき顎の骨の形がよくないことがあります。
また、唇や舌の形状なども遺伝することも原因の一つです。
ご両親が不正咬合であれば、子どもの歯並びにも、注意しておくと良いでしょう。
②くせ
幼児期の子どもに多い指しゃぶりは不正咬合になりやすいので注意が必要です。
親指をずっとくわえている状態が続くと、下顎が後ろに下がっていきます。
また頬杖をつく癖があると、横から歯に力が加わり、顎の骨格がずれてしまうことがあります。
指しゃぶりが長引いていたり、頬杖つくくせのある人は注意しましょう。
⓷むし歯
むし歯で歯が早く抜けてしまうことが原因により、不正咬合になるケースがあります。
子どもの歯がむし歯で早く抜けてしまうと、歯と歯の間にスペースができます。
歯が隙間なく並ぶことで、歯と歯同士がバランスを取っています。
歯が抜けると歯と歯同士のバランスがとれなくなってしまい、周りの歯が隙間の方に生え方を変えてしまい、歯並びががたがたになってしまいます。
むし歯がある場合は、歯科医院へ行き早めの治療を心がけましょう。
④ 口呼吸
通常、鼻呼吸の場合は、舌が上の前歯につく状態が正常ですが、口呼吸をすると舌が下の前歯側に落ちてしまいます。
舌の位置が正常でない状態が続くと、口の中のバランスが崩れ、頬が押し込む力の方が大きくなったり、逆に舌が歯を押す力が強くなったりします。
また、口呼吸で口が空いている時間が長くなると、唇で歯を押さえる力が弱くなってしまい、出っ歯の要因にもなります。
口呼吸をしている場合は、早めに改善するように心がけましょう。
⑤外傷
顔面に大きな力が加わると、不正咬合になってしまうことがあります。
例えば、幼少期に事故にあったことが原因で、永久歯が生えない可能性や、曲がって生えてきたりします。
不正咬合はどんな影響がでる?
①むし歯・歯周病になりやすい
噛み合わせや歯並びが悪くなると、歯を磨きづらい箇所ができます。
つまり、歯垢が溜まりやすくなり、むし歯や歯周病の原因となってしまいます。
また、口を開けることが癖づいている場合、口の中が乾燥してしまうため、だ液の効力が発揮されず、むし歯になりやすいです。
②食べ物を上手に噛めない
不正咬合で噛み合わせが悪くなると、食べ物を上手く噛むことができなくなってしまいます。
片側の歯だけで噛んだり奥歯のみで噛み切る状態が続くと、筋肉の発達がかたよってしまい、さらに噛み合わせが悪くなってしまったり、顎関節症を誘発してしまったりします。
さらに、同じ箇所の歯を使い続けてしまえば、歯が欠けてしまうことも少なくありません。
⓷上手に発音ができない
上手に発音ができなくなる原因は、以下の2つです。
歯と歯の間に隙間ができている
顎が前に出ている
歯と歯の間に隙間が空いている状態だと、空気が抜けてしまうため、言葉が聞き取りづらくなります。
また、顎が前に出ていると、舌の位置が変わってしまうので、サ行やタ行が発音しづらくなります。
④頭痛や肩こりになりやすい
噛み合わせや歯並びに異常があると、噛む度に顎の関節に強い負荷がかかります。
負荷がかかった状態が続くと、首の付近の筋肉が緊張状態となり、肩こりや頭痛などの身体面の健康に影響が出てしまいます。
⑤耳鳴り・めまい・鼻詰まりなどの症状が出ることもある
顎の形の変形とともに、顔の形や神経に影響が出ます。
歯並びが呼吸に影響して鼻づまりがおこったり、耳鳴りやめまいの原因となったり、さまざまな症状につながると考えられています。
⑥胃腸への負担が大きい
噛み合わせが悪いことで、食べ物を十分に噛むことができず、胃腸への負担が大きくなるとかんがえられます。
不正咬合の治療方法は矯正歯科
永久歯が生え揃う前と生えそろった後で治療の内容が違うので、分けてお話していきます。
Ⅰ期治療:永久歯が生え揃う前に行う矯正治療
永久歯が生え揃う前の「Ⅰ期治療」は、骨格や顎の骨の位置を矯正する治療を行います。
口に入れるタイプのバイオネーターやマウスピースを使用し、歯並びを調整していきます。
また、ヘッドギアや上顎前方牽引装置などを使用し、骨格の調整を行うケースもあります。
これらの治療により、永久歯がきれいに生えてくるスペースを作ります。
Ⅱ期治療:永久歯が生えそろった後の治療
永久歯が生え揃った後の「Ⅱ期治療」では、ブラケットをつけてそこにワイヤーを通すことにより、歯の形を調整する矯正治療を行います。
骨格の歪みが大きくなければ、歯を移動させて改善されるケースがあります。
歪みが大きくなってしまった場合、下顎を切断して後ろに下げるというような、外科手術を行うケースもあります。
手術となると、メンタルへの負担、金銭面の負担が出てくるため、できるだけ軽症のうちに歯科医院に相談してみましょう。
なおⅠ期治療を行って生え変わりがスムーズに進んだ場合、Ⅱ期治療は必要ないこともあります。
不正咬合治療中も必ず定期検診を受けましょう
不正咬合の治療で使うブラケットやワイヤーなどの器具付近では、歯垢が溜まりやすく、むし歯や歯周病になりやすくなります。
そのため、定期的に検診を受けることをお勧めいたします。
不正咬合、噛み合わせ治療について気になることがあれば、お気軽に当院へお越しください。