こんにちは。はまだ歯科クリニックです。
歯科医院では、訪問診療を行っています。
訪問診療とは、どのような人たちが受ける治療なのでしょうか。
歯科医院へ忙しくて行くことができないから、お家に来てくれればいいのに…と思う方々もいるのかもしれません。
しかし、残念ながら基本は、やはり患者様が病院へ通院していただくことになります。
では、訪問診療が可能となるのはどのような人たちなのでしょうか。
今回は、この記事で、訪問診療の意味、必要性をお伝えするとともに、訪問診療が保険診療で可能なのかを解説したいと思います。
気になる方々は、ぜひ一読ください。

目次
一般的に訪問診療とはどのような意味?
訪問診療の意味をまずは正しく理解することが大事です。
そもそも一般病院で行われる訪問診療とは、さまざまな理由で通院が難しい方々を対象とした医療サポートとなります。
病院の医師が、自宅に訪問し、診療するのが訪問診療です。
あらかじめ診療計画をたてて、医学管理下のもと、二週間に一回など定期的に自宅にお伺いし健康管理を行います。
訪問診療では、日常的な診察・治療と向き合うとともに、健康管理を行い、体調の悪化を未然に防ぐことも目的です。
患者様の中には、入院が必要となるケースもあるでしょう。そのような場合でも、訪問診療では、入院先を紹介するなど医療機関と連携し、スムーズな対応を心掛けます。
訪問診療では、診療や治療以外にも、看護や、お薬の処方、さらに、療養指導や相談…など、通常病院で行っている診療のほとんどが提供されています。
歯科医院の行う訪問診療とは
当院でも、訪問診療が行われています。
歯科医院において訪問診療は、なんらかの身体的、精神的理由があり、歯医者に通院できない方々に対し、歯科医師、歯科衛生士が自宅、また、介護施設などに訪問し、歯科診療、かつ、専門的な口腔ケアを行っています。
歯を治療することや、口腔機能の健康維持は、食べるという機能を充実させるだけでなく、QOL(Quality of life:生活の質)向上に寄与することも明らかになってきました。
外来受診が困難な方々であっても方法があるため、治療をあきらめる必要はありません。
歯科医院の訪問診療を受けることができる方々
歯科医院の訪問診療を受けることができるのは、以下のような方々です。
- 高齢・病気で身体が不自由である
- 障害をお持ちで、通院が困難
- 寝たきり状態で歯科通院に通院することができない
上記の条件に基づいて、当院では、個々の患者様の症例ごとに適正判断をさせていただきます。
歯科医院の訪問診療の内容
歯科医院の訪問診療では、以下のような治療などが行われています。
むし歯・歯周病治療
むし歯や歯周病は、みなさんがご存じの歯を失う大きな原因です。
むし歯や歯周病ははっきりとわかる初期の自覚症状がないため、なんらかの症状があれば、既に病気が進行している可能性があり、できるだけ早い治療が必要です。
当院は、痛みに配慮した歯科治療を行い、患者様には快適な治療を受けていただけるよう心掛けてまいります。
また、患者様の体調を考慮し、無理のない範囲での治療を提供します。

入れ歯の調整や作製
また、歯科医院の訪問診療で行われているのは、入れ歯の調整や作製です。
合わない入れ歯をやむなく使用し続けている方々もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、多くの歯をなくしているにも関わらず入れ歯を作っていないなど、通院が困難で噛めない状態が続いている方々は決して少数ではありません。
入れ歯を作りよく噛めるようになれば、食べることが楽しいと思えるようになるでしょう。
また、それだけでなく、脳に対しての刺激を与えることができ、認知症予防にも貢献することができます。
当院の訪問診療では、患者様に合った入れ歯を製作することも目的としています。
嚥下リハビリ
また、歯科医院の訪問診療で行われているのは、嚥下リハビリです。
お口から胃の中へと食べ物を送り出す飲み込む動作がスムーズに行えない状態を、「嚥下障害」と言います。
飲み込むことが難しくなってしまうと、すぐに食事が楽しいと思えなくなります。
また、食事に時間がかかって疲れてしまう方々もいます。
また、誤嚥・窒息を起こすこともあるため、できるだけ早めの対処が必要です。
当院の嚥下リハビリでは、食事するために必要とされる筋力をつけるための体操や、唾液分泌を促進するマッサージを行うなどし、飲み込み機能の向上を目指していきます。
それだけでなく飲み込み動作をとりやすい姿勢・環境のアドバイスも行っています。
口腔ケア・肺炎予防
また、歯科医院の訪問診療では、口腔ケア・肺炎予防を行います。
口腔ケアには、お口の中をキレイにする清掃や、お口の機能をアップさせる機能回復があります。
プロフェッショナルクリーニング(PMTC)や、セルフケアの指導、お口の機能アップのための簡単なトレーニングなどを行います。
また、誤嚥性肺炎を予防するには、炎症の原因となる細菌を減少させることも大事です。
訪問診療のクリーニングで、いつも清潔なお口環境を維持し、機能回復トレーニングによって「食べる」、「飲み込み機能」を維持、向上させることが、誤嚥性肺炎の予防によい効果があります。
訪問診療と往診の違い
訪問診療を、往診のようなものとして理解している方々もいらっしゃるかもしれません。
歯科訪問診療と外来との違い
患者様は基本、外来では通院しなければいけませんが、訪問診療であれば、生活している現場での治療が可能です。
しかし、既に解説している通り、訪問診療は、誰もが自由に自宅で治療を受けられる制度ではありません。
歯科訪問診療が利用可能となるのは、何かしらの理由によって通院ができないと判断された方であるため、おおかたは高齢の方々か、健康状態が優れない方々がほとんどです。
口腔だけでなく、他の部位にも気を配り診療を行い、責任も外来以上重いと言っていいのかもしれません。
また、介助者の方々を通じて、正確な意思疎通をとることも歯科医院の仕事です。
往診との違い
そして、訪問診療と往診との違いです。
どちらも患者様のもとを訪れて診療をする方法なのですが、目的は大きく違います。
歯科医院の訪問診療では、あらかじめ計画し患者様のもとへ訪問しますが、往診の場合は、突発的な事態に対処するため患者様のもとへ訪問します。
往診では、事態が急変したものの病院に赴くことができないケースがほとんどです。
歯科医院の訪問診療のメリット
歯科医院の訪問診療のメリットは、
- 患者様が通院しなくていい
- 生活の様子を直接確認できる
- 介護にあたる方々の負担を軽減できる
などがあります。
当然ながら、訪問診療では通院が困難である患者様のもとに医師が訪れるため、患者様は、通院しなくて大丈夫です。
お体の事情で通院が難しい方々、できない方々には大きなメリットがあります。
また、医師が直接食事の様子も確認できるため、入れ歯の細かい調整、食生活のアドバイスなど、診療以外の面でも患者に寄り添った対応が可能です。
また、訪問診療の大きなメリットは、介護にあたる方々の負担を軽減できることです。
もしも訪問診療の制度がなく、通院が難しい場合でも通院しなければならないとなれば、介護の方々が患者様とともに歯科医院までいらっしゃる必要があります。
しかし、歯科医院では、訪問診療が行われているため、その心配もありません。
歯科医院の訪問診療は保険診療で可能?
歯科医院の訪問診療は、保険診療が可能です。
ただし、訪問歯科の場合、治療費以外に「訪問診療費」など料金がプラスして加算されるため、通院のときよりは支払い額は高くなります。
また、介護認定を受けている方々は、介護保険からも居宅療養管理指導料という負担金がかかります。
また、訪問診療を行う距離にも限界があるため、遠い自宅に訪問する場合には、自費診療となることもあります。
それでも、交通費、介助費などのことを考慮すれば、通院よりも訪問歯科を選んだ方が、費用面で、また精神的にも負担が軽いのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
訪問診療とは誰もが受けられる診療ではないのですが、歯科医院にとってとても大事な仕事であることもご理解していただくことができたのではないでしょうか。
歯科医院では、外来、だけでなく訪問診療、往診を行い、すべての方々の大事な歯をお守りし、健康な身体、日常生活へと導いてまいります。
